2011年8月7日日曜日

政治の役割とは

 薬は毒である、とはよく言われてきたこと。医療に関しては薬だけではなく放射線治療もそうだ。治療することによって得られる利益と害作用によるリスクを秤にかけて利益の方が大きいと判断して治療するわけだが、そもそも害作用、つまり不利益に関する情報が正しく得られないのが世の常である。専門家はおそらく知っているのだろうが素人に正しく伝えるのは難しい場合がある。人の心理として不都合なことは受け入れがたいということもあるし、専門家から安心な情報だけをもらって楽をする、つまり自分で判断する努力を回避してしまう。
 原発でも同じことが言える。得られる利益と事故による危険を秤にかけなければ判断できないが危険に関しては、行政が、産業界が、マスコミが、無視してきた、隠してきた。それによって素人の一般国民は利益と不利益を自分で判断する努力をせずに楽をしてきた。
 薬害や医療事故でも、原発問題にしても、提供者ばかりに問題があるのではなく、例え素人でも、ものには必ず良い面、悪い面があり両方の情報を知る努力をし、判断する責任が誰にもあると思う。
 もちろん、努力をしようにもできない社会的弱者という問題もあるが本来そういう弱者の立場にたつのが政治の役割ではないだろうか。残念ながら現実は大企業と大労働組合が利権の調整をし合うのが政治になってしまっている。

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