彼らの頭のなかには、二つの種類の人間が存在する。
支配する者と支配される者である。
彼らは、自らを支配する側に所属する者として認識し、これとは無関係の、他者としての、支配される側の存在として一般大衆を位置付ける。
支配者にとって、一般大衆は、自らの利益、自らの目標を達成するための道具に過ぎない。
この道具を再生産し続けるために、使い捨てた一般大衆の死者を祀る施設を美化し、参拝を続けるのだ。
橋本徹氏や石原慎太郎氏の言葉は、従軍慰安婦制度を肯定する以前に、戦争そのものを肯定している。
従軍慰安婦制度が人権侵害であると同時に、戦争そのものが人権侵害であるという、根本的な事実に対する認識が完全に欠落している。